東海愛知新聞バックナンバー

 4月22日【土】
豊田市美術館

東海地区初の全障壁画公開

きょうから東山魁夷の特別展

豊田市美術館できょう22日、戦後の日本を代表する風景画家・東山魁夷(1908-1999年)が残した超大作を全面公開する特別展「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」が始まる。6月11日まで。午前10時〜午後5時30分。(大山智也)

全68面からなる「唐招提寺御影堂障壁画」やスケッチ、下絵など計約50点を展示。展示の主役を飾る障壁画は、10年もの年月をかけて描かれた大作で、昭和50(1975)年と55年の2度に分けて奈良市にある唐招提寺の御影堂に奉納された。普段は非公開だが、今回は御影堂の修理期間中ということもあって、同寺の協力で東海地区初となる全障壁画の一挙公開が実現した。

会場では、御影堂の内部を再現する形で障壁画が並ぶ。視力を失うなど度重なる苦難を経て来日し、同寺を開いた中国の高僧・鑑真にささげる風景として描かれた障壁画。50年に奉納された「山雲」や「濤声」では自然豊かな日本の風景が群青や緑青を基調として青々と描かれた。一方、55年に奉納された「揚州薫風」や「桂林月宵」などは、中国の風景が山水画のように水墨の白と黒で表現されている。

展示期間中に一部入れ替えがあるスケッチや下絵などと合わせていずれの作品も見応え十分。同館学芸員は「年に3日しか公開されない障壁画を間近で見ることができる貴重な機会。この機会を逃さず、ぜひ堪能してもらいたい」と来場を呼び掛けている。

観覧料は大人1,400円、高校生・大学生1,200円。中学生以下、障害者手帳の所持者と介助者、市内在住・在学の高校生、市内在住の75歳以上は無料。月曜休館。

問い合わせは、同美術館(0565―34―6610)へ。