東海愛知新聞バックナンバー

 3月6日【日】

■人に見せたいデコ補聴器

岡崎 天野さんが発案し商品化

周囲の目を気にして付けていた補聴器を、周囲の目を釘付けにするアクセサリーに―。岡崎市吹矢町の認定補聴器専門店「あいち補聴器センター」(天野雅夫代表取締役)が、女性のネイルアートをヒントに始めた耳かけ型補聴器のデコレーションサービスで、補聴器のイメージチェンジに取り組んでいる。(今井亮)

“デコ補聴器”を発案したのは、天野代表取締役の長男で店長の慎介さん(28)。来店する幼児〜30代の女性難聴者にとって、補聴器は「高齢者が付ける物」というイメージや「難聴であることに気づかれたくない」という思いが根強い。

そこで「アクセサリー感覚で装着できるファッションアイテムにすれば見方も変わるのでは」と発想を転換。昨年の12月から今月までに市内、高浜市、名古屋市の10代〜40代の女性4人から注文があり、じわりと反響が広がっている。好みのデザインにデコレーションが可能なオーダーメイド。今のところは女性の支持を集めるが、慎介さんは「デコレーションには性別、年代を問わずに挑戦できる魅力がある」と手応えをつかんでいる。

注意点はデコレーションが補聴器の付け心地と機能を妨げないこと。注文で預かった補聴器は豊橋市にある外注先のネイルサロンに持ち込み、ネイリストに直接指示しながら装飾していく。注文から1週間ほどで完成するという。

商品化に当たっては、知人の20代の女性ネイリストの協力でスワロフスキーやハート、星をあしらったサンプルの補聴器を作り、顧客の30代の女性と女子高校生にモニターを依頼。3カ月間使用してもらう一方、自身も手作りしたデコ補聴器を日常生活で使用し、耐久性などを検証した。

今月下旬にはデコ補聴器の専用ホームページを立ち上げる。1,000円から5,000円程度の価格で全国からの注文を受け付け、イメージチェンジの波を全国に広げたいという。また「小遣いの範囲で気軽にデコレーションを楽しんでほしい」と、大学生以下を対象にした学割も導入する。

慎介さんは「隠したかった補聴器が、ファッションとして自慢できる喜びを実感してほしいですね」と話している。問い合わせは同店(24―4733)へ。


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