元日以外で初開催
来年の岡崎市新年交礼会
規模縮小し1月8日に市民会館
岡崎市は9日、例年元日に開いている「新年交礼会」を、来年は規模を縮小して1月8日に開催すると発表した。会場は岡崎中央総合公園武道館から市民会館あおいホールに移し、お年玉抽選会は実施しない。市によると、90年以上前からの伝統行事の元日以外の開催は初めてという。(竹内雅紀)
内容や日時、開催場所の変更は、新型コロナウイルス感染症対策の一環。密接や密集を防ぐため、参加者も減らす。ただし、新型コロナ感染拡大状況によっては中止する場合もある。今年の新年交礼会は元日開催の予定だったが、新型コロナの感染拡大を受けて、記録上では初めてとなる中止を昨年12月に決定。元日午前中に中根康浩市長らの「年頭のことば」を市公式YouTubeチャンネルで動画公開した。
市によると、元日開催は年末年始の帰省時期の最中ということもあり、感染リスクが高まる可能性があるとして、1週間後ろ倒しした。中止ありきの話はなく、何とかして開催する方向で協議が進められたという。長期連休中に人との接触が増えて、感染することもある。また、症状が出るのは大抵長期連休明け。8日であればある程度の状況が分かるが、元日は非常に危険と判断した。働き方改革の観点からの変更ではないとしている。
また、日程変更は共催する市総代会連絡協議会側への配慮もあったとみられる。各町の総代らは、大みそかの夜から地元の神社や寺での催事・行事に出席していることが多く、元日午前中からの新年交礼会への参加が負担になることもある。今年の中止を受けて「少しゆっくりできた」という声も聞かれたという。同会幹部は「元日ではない8日開催は、試験的な意味を含んでいると思う」と推察している。
当日は午前10時30分に開会する。アトラクションについては未定。一般参加者は事前申し込み制で、配布される会員券(会費1人500円)の裏面に記載されている方法で申し込む。会員は式典への参加、名刺帳への名前掲載ができ、会員券と引き換えに名刺帳と記念品(干支の置物)がもらえる。会員申し込みは10月15日まで。申込書は、市役所東庁舎4階の秘書課または各支所にあるほか、市のホームページからでも入手できる。
同市の新年交礼会は、1928(昭和3)年の広報紙に元日開催の記載があることから、少なくとも90年以上前から元日に開かれている“伝統行事”。かつて式典に出席した来賓があいさつの中で「愛知県内で元日の午前中にこのような会を開いているのは岡崎だけ」と、称賛とも嫌みとも取れる発言をしていたこともあった。