リュウグウの有機物は?
岡崎・分子研 国内外機関と試料分析中
岡崎市明大寺町の自然科学研究機構分子科学研究所(分子研)で1日から10日まで、小惑星探査機「はやぶさ2」が採取した小惑星「リュウグウ」の試料の分析が行われている。リュウグウは約46億年前に太陽系が形成されたころの有機物や含有鉱物が残っている可能性があり、太陽系形成の歴史や地球での生命誕生の謎などをひもとく手がかりになると期待されている。(横田沙貴)
分子研は所内にあるUVSOR(極端紫外線研究施設=赤外線や紫外線、X線などを発生させられる研究施設)で発生させたX線を使う特殊な顕微鏡で、地球の外気などに触れないようにして持ち込まれた20マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)四方の試料6点を観察。試料に含まれる有機物の分子構造を調べている。この顕微鏡はレントゲンのように試料を破壊せずに分子構造などを見ることができるという。
はやぶさ2は2014(平成26)年に地球をたち、リュウグウで回収した試料5.4グラムを20年12月に地球へ届けた。現在は別の小惑星観測のために再び宇宙を旅している。
試料は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が回収した後基本的な分析を行っていたが、今年6月から分子研を含む国内外の研究機関で組織する2つの研究チームが詳細な分析を進めている。分析結果は来年夏ごろに発表予定。