岡崎市民病院は27日、市内唯一の第3次救急医療機関としての機能を最優先で稼働させるために、昨年2月から消化器科と耳鼻いんこう科に設けていた診療制限を、12月1日から解除すると発表した。
約2年前まで、2科は患者の多さから受け入れの体制が限界を迎えていた。同病院では、勤務医の過剰労働の防止と重症患者の治療を優先させるため、軽症患者から順に、同病院での初診後の通院を民間病院などへ誘導する“逆紹介”措置を取っていた。
消化器科の勤務医は4人から6人に増員。耳鼻いんこう科の勤務医は従来通りの3人だが、「逆紹介」が市民に認知されてきたため、制限解除に踏み切った。
これに合わせ、今後は専門医による治療を受ける際には、原則として医師の紹介状が必要となる。紹介状がない場合でも総合診療科や救急外来の診察は可能だが、紹介状を持つ患者に比べ、待ち時間が長くなることなどが予想される。
同病院は「総合病院の勤務医1人が診察できる患者数には限界がある。軽症患者も含めて殺到すれば、専門治療を必要とする重症患者の診察が後回しになりかねない」と説明する。
今後について同病院では「紹介状だけでなく、自己の健康管理という意味でも、小さな身体の変化に気付いてくれる『かかりつけ医』を持つことを強く勧めていく」としている。