東海愛知新聞バックナンバー
 5月4日【日】
岡崎市の市民環境目標
認定第1号
ちせいの里「ロックエンゼルの会」
岩清水を非常時飲料水に

岡崎市茅原沢町、ちせいの里の住民団体「ロックエンゼルの会」が、同市の〈市民環境目標〉第一号に認定された。住宅地東側の蛍流公園奥からわき出る岩清水を住民の常用・非常時用飲料水として確保し、ホタルが舞う豊かな自然環境をつくっていることが評価された。会長の会社員榊原茂夫さん(63)は「今後、岩清水の水量 を多くする工夫をしていきたい」という。
 ちせいの里は市東部に位置する。平成10年から入居が始まり、現在98戸、約400人が暮らす。井戸はなく、水道水は住宅地背後の山に据えたタンクから全世帯に配水されているが、貯水できるのは2日分。また市中心部から通 じる主要道路は一本で、車が通行不能の非常時には飲料水の確保が難しい。
 こうした事情から町内会役員が水源を探した。平成15年秋、当時総代を務めていた松原晄三さん(73)らが蛍流公園脇の「ホタルの里」へ流れ込む沢水をたどっていくと、190メートル先の岩盤からきれいな水がわき出ているのを見つけた。
 水質検査をした市環境調査センターが「まれに見る良質」と太鼓判。わき出る量 は毎分約6リットル、水温は14〜5度で、地主がわき水の利用を快諾。それ以後多くの人がホタルの里にある水くみ場に来て、くんでいく。
 さらにホタルの里へゲンジボタルの幼虫や餌のカワニナを放流、初夏には光の乱舞が見られる。周辺の草刈りや間伐など住民の自主的な活動が自然を守りはぐくんできた。
 こうした新しいまちの“ふるさとづくり”の中核のひとつが、ロックエンゼルの会。役員は榊原さんら9人、そのうち40代が4人。岩清水の近況を随時、回覧で全世帯に知らせ、水源の点検などを行っている。
 今年度は、水くみ場で毎分2リットルの水量を5リットルに増やすのが目標。会の監事・松原さんは「水源の岩盤を掘ったり水路を整備したりして無駄 なく水くみ場まで流れてくるようにしたい」と話している。
 今後、ロックエンゼルの会は定期的な水質検査など、市の援助を受ける。
 市民環境目標
 快適で良好な生活環境を維持しようと目標を掲げて活動する団体から申請を受け、市環境保全課が認定する。認定期間は3年間で、毎年度末に活動実績報告書を提出する。今回の申請はロックエンゼルの会のみ。ちせいの里、蛍流公園付近の計6ヘクタールが認定地域となり、3月26日に「認定証」が交付された。





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