12月2日【日】
岡崎市美博で8日から
■『中根家文書』刊行記念展
8代当主隼人忠容 大赤字の岡崎藩財政再建に挑む 倹約と援助も挫折… 岡崎市美術博物館で8日から、『中根家文書』刊行記念展「隼人がゆく―藩政改革にかけた岡崎藩士の世界」が始まる。『中根家文書』は、岡崎市が岡崎藩本多家の家老、番頭を務めた中根家に伝わる古文書を翻刻。平成14年と今年4月に上・下2巻の本にまとめて出版した。同展はこれを記念して、この中根家に伝わる古文書の内容を分かりやすく紹介しながら、明らかになりつつある岡崎藩の藩政史や岡崎藩武士の世界を紹介する。 中根家は三河国箱柳村(岡崎市箱柳町)の出身で、徳川家康の命により本多忠勝に仕えるようになって以後、江戸時代を通じて譜代大名本多家の重臣として活躍。同家には18世紀半ば中根家が本多家とともに岡崎に移って以降の資料が豊富に残されている。これらの資料は、文書だけではなく絵図類や書籍などにもおよび、近世岡崎藩を語る上で貴重な資料となっている。 とくに、八代当主隼人忠容がリーダーシップをとった藩政改革に関する資料が多く残されている。 忠容は18世紀末の寛政年間に、32万両余りの借財があった藩財政の再建に挑戦。厳しい倹約と江戸両替商三谷の資金援助を受けながら改革は一定の成果をあげるものの、三谷の倒産により6年半ほどで挫折することになる。 同展では、財政再建に果敢に取り組んだ隼人忠容の生涯に沿いながら改革の内容を紹介する。また、中根家に伝わる甲冑などの武家資料、軍学や兵法のために作成された城絵図などを含めて、忠容をはじめとする岡崎藩武士の生活面も併せて紹介する。 入館料は一般600円、小中学生300円(岡崎市内の小中学生は無料)。毎週月曜日は休館。 来年2月11日までの会期中、鼎談や講演会、学芸員による展示説明会も行う(鼎談と講演会は聴講無料。定員各70人で午後1時から整理券を配布予定)。内容は次の通り。
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