11月10日寄贈式
徳川家康 自戒の姿
■しかみ像
岡崎公園に設置へ
三方ヶ原の戦大敗を反省
川宗家18代当主 恒孝さんが市に寄贈
徳川宗家18代当主で川記念財団理事長の川恒孝さんが、徳川家康の石像「しかみ像」を岡崎市に寄贈。11月10日、川さんを招き、石像を設置する岡崎公園で贈呈式が行われる。
元亀3(1572)年12月、浜松・三方ヶ原で、2万7千の武田信玄軍と合戦を繰り広げた31歳の徳川家康は戦に大敗し、命からがら浜松城に逃げ帰った。多くの家臣を失ったことから、冷静さを欠いて戦った自分への戒めとして、顔をしかめ苦渋の表情を浮かべた肖像画を描かせた。
この肖像画は「三方ヶ原戦役画像」(縦37.7センチ、横21.8センチ)で、名古屋の徳川美術館に所蔵されている。石像は、この肖像画をもとに彫られた。
使われた石は、約3年前に岡崎市稲熊町の次井石材が採掘した白御影石で、彫ったのは同町の彫刻家・小林道明さん。苦渋の表情で、ほお杖(ずえ)をついて足を組む家康が再現されている。台座を除いた像の高さは約124センチ。
今年2月中旬に、宗家から市に「石像を寄贈したい」と打診があり、市は岡崎公園内の「三河武士のやかた家康館」南にある噴水広場の一角に設置することを決めた。午後1時30分からの贈呈式には川さんと柴田紘一市長らが出席し、石像をお披露目する。
式後は龍城神社で「江戸の遺伝子」と題した川さんの講演会がある。
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