幸田町消防本部は25日、川で溺れた男児を救出した幸田町菱池の杉山峰子さんに感謝状を贈った。同本部によると、町内の水難事故は年に1度起こるか起こらないか程度で、子どもの水難事故は極めて珍しい。(横田沙貴)
4日午前11時34分ごろ、同町菱池の尾浜川で川遊びをしていた男児(5)が川で溺れ、一緒に遊びに来ていた男児の兄(8)が周囲に助けを求めた。自宅で庭の手入れをしていた杉山さんは、兄の声を聞いて川に向かうと、川の中でうつ伏せになって沈む男児を見つけ、川に入って助け出した。川は深い所で水深約1メートル、杉山さんが救助した場所はそれよりも浅かった。川幅は2、3メートルだった。
発見当初、男児は意識がなく呼吸停止状態。杉山さんは水を飲み込んだ可能性を考え、水を吐き出させようと男児を腕に抱いて背をたたいた。数回たたくと男児は息を吹き返した。また、通行人や近隣住民らが協力して119番通報や男児らの保護者へ連絡した。男児に後遺症はなかったという。
杉山さんは「1人での救助は危ないかもしれないと思ったが、一刻も早く助けなければと必死だった。腰ぐらいまで水に漬かる場所もあったが、川の流れが穏やかで何とかなった。男の子が今では元気というだけで、うれしい」と話した。