愛知県は25日、西尾、蒲郡両市にまたがる「幡豆海域」で採取したアサリから、国の基準値をわずかに上回るまひ性貝毒を検出したと発表した。県は同日、同海域内の漁協関係者にアサリの出荷自主規制と潮干狩りの自粛を要請。西尾市の東幡豆漁協、幡豆漁協、西三河漁協吉良支所は26日から市内の潮干狩り場3カ所(東幡豆海岸・前島、西幡豆・鳥羽海岸、梶島)の営業中止を決めた。再開時期は未定。
県水産課によると、毒性を持つ特定のプランクトンが貝毒の原因。アサリが餌とともに摂取することで体内に蓄積されるが、排せつなどで体外に出されれば毒性は消える。また、原因となるプランクトンは春に発生するケースが多いが、海水温が上がれば消滅するという。
貝毒は食後30分ほどで口や顔にしびれやまひの症状が現れる。重症化すると全身に及び、命にかかわる場合もある。加熱調理で毒性は消えない。
県は今後、検査回数を増やすなど監視体制を強化し、安全性を確認してから自粛要請を解除するとしている。(横田沙貴)