岡崎市は16日、平成29年度の当初予算案を発表した。一般会計が前年度当初比0.1%増の1,233億円、特別会計(12会計)が2.3%増の684億1,503万円、企業会計(3会計)が2.8%増の556億6,081万円。一般会計では、全62事業に総額約5億円を投じた市制施行100周年記念事業が今年度末で全て終わることなどから、財政調整基金の取り崩しが50億円から40億円に減少した。(今井亮)
一般会計の歳入は、市税が2.3%増の685億5,273万円。このうち主軸となる市民税は、税制改正による税率引き下げの影響や円高による企業収益の伸び悩みを視野に、法人市民税が2.0%減の41億4,448万円を見込んだ。対照的に、個人市民税は納税者数の増加などで265億855万円と、前年度当初を2.2%上回った。
地方交付税は、7年ぶりに普通交付税の不交付団体に転じたことや合併算定替えによる旧額田町分交付額の段階的な縮小などで、33.7%減の6億1,000万円。繰入金は財政調整基金の取り崩しの軽減などにより、22.8%減の62億3,063万円となった。市債は3.0%増の62億1,000万円を発行する。
歳出は、市民会館の大規模改修や新斎場整備の大型事業が完了。その一方で、PFI方式で整備されてきた「こども発達センター」(4月開所)の施設購入、消防指令システム、JR岡崎駅東地区の各整備を残すため、普通建設事業費が0.1%減(207億8,277万円)となった。
主な新規事業のうち、「本宿駅周辺地域拠点整備業務」は1,200万円を計上。新東名高速道路岡崎東インターチェンジや国道473号バイパスで国道1号と接続した「重要な交通の結節点」に位置付ける、市東部の名鉄本宿駅の周辺調査を外部に委託する。
市東部で浮上したアウトレットモール構想も、事業の計上を後押しする一因になった。しかし、市は「あくまで同駅周辺地域の拠点整備は従来から予定していた」という。内田康宏市長は、昨年10月の市長選直後に民間事業者から市東部のアウトレットモール整備の打診があったことを初めて明らかにしている。
特別会計はこども発達センター会計を加え、12会計にする。企業会計のうち、病院事業会計は入院・外来の減益などを想定し、1.9%減の239億1,461万円を見込んだ。