岡崎市八帖南町の毎日商会は、産業廃棄物を創作活動の素材などとして再利用する活動に取り組んでいる。産廃業者のイメージアップとともに、一般消費者に産廃の実態を知ってもらい環境教育につなげるのが目的。同社によると、同様の取り組みは全国でも例が少なく、県内では初めてだという。(横田沙貴)
この取り組みは、西田勝志社長(40)と愛知産業大学招聘教授の大野幾生さん(62)が中心となって企画。産廃の中には形状が規格外の製品、端材の布地や木材、余ったプラスチックの原料など品質に問題がなく活用できる素材も少なくない。一般的なリサイクルと異なる再利用ができないかと考え、創作活動を通じて別の形に生まれ変わらせる(リボーンする)ことを思いついた。
産廃は、回収した全ての企業から同意を得て素材化。ワークショップで利用するほか、造形作家や一般消費者向けに販売も行っている。さらに、ワークショップの企画運営や講師派遣などを行う部署「リボーンラボラトリー」を立ち上げ、他業者への拡大を推進する仕組みの確立を目指している。
活動の軸にもなっているワークショップは、4月から11月までに4回開催。最終回となった26日には、同市美合町の旧本社社屋で回収された布などを材料にしたクリスマスリース作りが行われた。
親子連れら24組約40人が参加。伸縮性のあるポリエステルの端切れを編んで輪状にし、廃材の樹脂製部品や飾りボタン、リボン、ウレタンボードで作った手作りの装飾などを飾り付けた。
西田社長は「皆さんと楽しみながら産廃の素材の可能性を発信したい」、大野さんは「この取り組みを確立して全国へ広めたい」と話した。