岡崎市河合地区の生涯学習講座「歴史探訪 まぼろしの里 黍生(きびゅう)を訪ねる」が30日、岡崎市須淵町のキョウセイ交通大学周辺で開かれた。
同講座はテーマを変えながら年に5回開催しており、今回は3回目。同大学周辺の山里には昭和30年代まで民家や神社、寺があり、地元では「まぼろしの里 黍生」と呼ばれている。
講座には地元住民ら男女約30人が参加。才栗町の粟生勇嗣さんが案内人となり、計5カ所を巡った。最初に訪れたのは旧藤井戸神社跡。道が整備されていない山道を進むと、崩れかけたトタン屋根の小屋のようなものが見えた。地元に残る言い伝えでは、南北朝時代に南朝側の後醍醐天皇の孫・尹良親王軍が信州で全滅し、その首を持ってこの地域まで逃げ、隠れ住んだ近藤氏の先祖を祭った神社と言われている。藤井戸神社は現在、別の場所に移されている。周辺には、かつて神社の屋根に使用したとみられる瓦の残骸や石段があり、粟生さんが説明した。
このほか、聖徳太子の像が祭られた旧聖洞寺跡、琵琶湖付近から聖徳太子像を運んできた男の子孫・浜井家蔵跡、黍生根地蔵、寺久後星野家跡、新藤井戸神社を見学し、参加者は地域に眠る歴史への理解を深めていた。(竹内雅紀)