リオデジャネイロ五輪カヌー・スラローム男子カナディアンシングルで日本人初の銅メダルを獲得した豊田市出身の羽根田卓也選手(29)=ミキハウス=が31日、同市役所を訪れ、太田稔彦市長らに凱旋報告を行った。(大山智也)
羽根田選手は、同市朝日丘中学校、杜若高校出身。高校卒業後は、五輪での金メダル獲得を目標にカヌー競技の強豪国として知られるスロバキアのコメニウス体育大学に単身留学。現在は同大の大学院に在籍しながら、国内外の大会に出場している。
平成20年の北京大会で五輪デビューを果たしたが14位。2度目のロンドン大会では7位入賞と躍進したが、メダルには届かず。3度目の挑戦となった今大会で、念願のメダルを獲得した。
羽根田選手はこの日、関係者とともに来庁。出迎えた太田市長らの案内で庁舎内に足を踏み入れると、到着を待ちわびていた市民らから盛大な拍手と歓声で迎えられた。
市職員から花束を受け取った羽根田選手は、集まった市民らの前で開口一番、「豊田市、ただいま!」とあいさつ。続けて「きょうはこんなにも大勢の方が来てくれてびっくり。豊田で生まれてカヌーの練習を続け、スロバキアに移ってから10年、いつかメダルを持って凱旋したいと思っていた。きょうという日を迎えられて本当にうれしい」と喜びをあらわに胸から下げた銅メダルを掲げて見せた。
この後は太田市長と歓談し、メダル獲得までの道のりについて語ったり、実際に五輪で使用したカヌーに座ったりする場面も。歓談前には、羽根田選手らのメダル獲得を受けて新設された「豊田市スポーツ栄誉賞」の表彰状が贈られた。
今後の目標について羽根田選手は「4年後の東京五輪は、競技者として一番いい状態で迎えられると思う。東京に向けて努力を続け、金メダル目指して頑張りたい」と意気込んだ。
きょう1日にも、母校の杜若高校で祝勝会が行われる予定。