家庭内での食事が困難な高校生以下の子どもを対象にした「おかざき絆こども食堂」が、30日までの毎週火曜に岡崎市明大寺本町の串焼き・ホルモン店「東岡崎明月」で開設されている。障害者の就労支援に取り組む塚平一民さんが理事長を務めるNPO法人「共生社会推進協議会」が実現させた。(今井亮)
開設初日の9日。午前11時30分の“開店”から正午に近づくにつれて、親子が次々と入店し、「食堂」として店側から提供された店舗の2、3階に案内された。
塚平さんの友人、知人、応募してきた親子ら運営ボランティアに運ばれてきたのは、ズッキーニやピーマン、ナス、シシトウなど炭火であぶった夏野菜が添えられた和牛スジ肉入りの野菜カレーだ。
「(こども食堂は)テレビで見たことがあったので」。そう話す女性は一緒に訪れた小学3年の男児、5歳の女児と会話を弾ませながらカレーを味わい、「おいしかったです。また来たいと思います」と続けた。初日の開設で訪れたのは大人、子ども計25人だった。
長久手市で6月に開かれたこども食堂フォーラムへの参加で運営を学んだ塚平さん。顧客として通っている東岡崎明月の店主・藤原修司さんと妻のさやかさんに調理と店舗提供の協力を求めたり、ボランティアを手配したりと準備を進めてきた。
食材は全て知り合いのNPOや企業、個人からの寄付で賄う。8月9、16、23、30日に開設する食堂のメニューはいずれも先着50食のカレー。子どもは無料だが、大人は500円。市の市民公益活動助成金5万円の交付はあるが、思案する食材費や場所代などの運営費に充てるつもりだ。
計4日間の開催でアンケートを取り、開設時間・場所、開設頻度など今後のこども食堂を継続する方法を模索していく。開設場所は未定だが、既に予定している年末・年始に限らず、日常的な開設も視野に入れている。
塚平さんは「ともに味わう食事でつながりや心の余裕を持ってもらう居場所を作り、子ども、保護者の社会での孤立を防ぎたい」と話している。問い合わせは塚平さん(090―6611―6763)へ。