東海愛知新聞バックナンバー

 5月15日【日】

見頃迎えた紫の稲穂

14日 「むらさき麦まつり」にぎわう

(ここ)も三河 むらさき麦の かきつはた」―。岡崎市東部の藤川地区で、松尾芭蕉の句にも詠まれたムラサキ麦が見頃を迎えている。14日は、ムラサキ麦を栽培している地元住民団体「藤川まちづくり協議会」などが主催する「むらさき麦まつり」が、旧東海道沿いの本陣跡広場を中心に地区一帯で開かれ、多くの人でにぎわった。(今井亮)

ムラサキ麦は同協議会が20年前から栽培。地区内に5カ所ある栽培地では例年より7〜10日早い5月8日から稲穂が紫に色づき始め、大型連休明けに見頃を迎えた。新緑の風に揺れる稲穂の見頃は19日ごろまで続くという。

同協議会は栽培地5カ所のうち、鑑賞用を除いた2カ所(栽培面積計1万8000平方メートル)に実ったムラサキ麦を5月下旬から収穫し、酒類や食品などの原材料として出荷する。収穫量は約2.2トンを見込む。

今年で13回目になるむらさき麦まつりでは、本陣跡広場でムラサキ麦を使ったクラフトビール「パープルグレイン37」やカレーパンなどを販売。ムラサキ麦のうどんとおにぎりが振る舞われた。

このほか、藤川小学校東側にある工房で石臼体験、道の駅藤川宿を出発して栽培地を巡る鑑賞ツアーなど、ムラサキ麦を堪能してもらう多彩なイベントの数々が人気を集めた。