東海愛知新聞バックナンバー

 5月11日【水】

癒やしを届けます

岡崎 ベンチャー「天使のプレゼント」

岡崎市洞町の建設業スカイグラウンド(後藤雅仁社長)の社内ベンチャー「天使のプレゼント」(後藤奈緒代表)が、6月で活動を開始して丸4年になる。依頼者にさまざまな技能を持った女性を派遣することで癒やしを届ける“癒やしのプロダクション”。女性の持つ力に注目して独自の活動を展開している。(横田沙貴)

■女性講師を派遣

後藤代表の発案で、平成24年に同社の福祉部門として発足。サービス業の集客イベントや、企業の福利厚生、個人向け体験会などの企画・運営を行い、登録されている講師を派遣する。講師はハンドマッサージやアロマセラピー、メーク、占い、ヨガ、楽器演奏などの技術を持つ女性45人。ほとんどが子育て中のママさんだという。

後藤さんによると、癒やし分野に特化した講師登録制の人材派遣サービスは全国初。依頼者と講師間の派遣日程や報酬の取り決めなどは後藤さんらが調整する。「イベント企画者は多忙な役職者が多い。講師の手配などの時間を省き、時間を有効活用できる」と利点を話す。

ベンチャー立ち上げのきっかけは、後藤さんが8年ほど前から参加しているタッチセラピーのボランティアだった。自分のほかに参加している女性が、さまざまな資格を持っていると知り、複数人で活動することで多くの人に癒やしや幸福感、笑顔を届けられるのではないかと考えた。その理想を「癒やしの大量出荷」と表現している。

■子育てママに追い風効果も

また、子育てママのチャレンジの場の提供という側面もある。出産を機に退職した後、復職・再就職を目指して資格を取得したが希望した職に就けなかった、子育てなどで多忙になり資格を活用する機会がなかったといった悩みを持つ女性は少なくない。だが、サロンやアトリエなど独自の活動の場を個人で持つのは難しく、広報や営業活動、金銭のやりとりが苦手という人もいるという。

後藤さんは「ママさんの中には癒やしの担い手がたくさんいる」と注目しており、女性の苦手な部分を天使のプレゼントでサポートして働きやすい環境をつくっている。

活動を続けていくうちに女性同士の情報交換や交流も行われ、講師の新たな資格取得や講師同士のコラボレーション企画といった新サービスの創出にもつながっている。

「女性はしなやかで気配りが得意。女性は女性なりの働き方があると思う。それぞれ得意なことをして、楽しみながらお金を稼げるよう、盛り上げたい」

問い合わせは、同社(47―8965)へ。