東海愛知新聞バックナンバー

 5月10日【火】

褒めて価値高める

来月14日 岡崎で「ほめ達!」検定初開催

褒めることで相手の価値を高める―。日本ほめる達人協会が全国各地で展開している「ほめ達!」検定の3級セミナーが6月14日午後1時30分から、岡崎市図書館交流プラザ(りぶら)で開かれる。検定制度開始からわずか6年で受講者が約2万5000人超の人気セミナーが岡崎で初開催。同協会名古屋支部長を務める同市緑丘1の大岡屋社長・鈴木裕之さんに話を聞いた。(竹内雅紀)

「ほめ達!」は「ほめる達人」の略称。これまでの「ダメ出し」社会から「褒めることで相手の価値を発見し、高めていく」社会への転換を図ろうとしている。褒めることに重点を置いたことで会社の業績が上がったり、従業員の離職率が減ったりする例も報告されている。

鈴木さんは、協会の西村貴好理事長と縁があり、名古屋支部の支部長を引き受けた。西村理事長は褒めて伝えることに重点を置いたことで家業のホテル業の離職率を減らし、採用費を大幅削減した成功例を持つ。認定講師の資格を持つ鈴木さんは「ただ単にお世辞を言って気持ちよくさせることではない。言い方次第で相手の受け止め方が変わる。価値を見いだすことが大事」と主張する。社員に注意する際も強い言い切りではなく、「○○だと思うよ」「○○。でもこういうことができているから」などと、語尾を和らげたり、補足を付けたりすることを意識している。また、3つのS(1.すごい 2.素晴らしい 3.さすが―のアルファベット頭文字)を口に出して言うことも心掛け、習慣化している。

名古屋支部主催のセミナーは過去に3000人程度が受講した。検定は1〜3級があり、初心者は3級から挑戦。年齢層は小学生から80代までで、職業も教師や主婦、会社の管理職、看護師、自営業者などと幅広い。新入社員教育や企業内研修に役立てている会社もあるほか、「ほめ達!」受講を機に離婚の危機を回避した夫妻もいたという。

これまでは名古屋市内を中心に土、日曜に開いていたが、サービス業者や主婦などの声も尊重して岡崎で平日の昼間に開催することを決めた。既に県外からの申し込みもあったという。鈴木さんは「協会としての大目標はノーベル平和賞を受賞すること。国内で年間3万人が自殺する世の中が本当に平和なのか。物質的には恵まれているかもしれないがこのような異常事態は『心の内戦』と言える。『ほめ達!』を通して少しでも自殺者を減らしたい」と述べる。

定員30人。当日はセミナーと検定の2部構成で午後4時45分までの3時間15分。受講料5,400円。申し込み、問い合わせは名古屋支部事務局の大岡屋(72―8511)へ。