NPO法人愛知災害救助犬協会(岡崎市若松東2)の災害救助犬3匹が16〜20日、熊本地震で大きな被害を受けた熊本県益城町で行方不明者捜索活動を行った。同行したベレゾフスキー・トーマス理事長と野口英美子事務局長に話を聞いた。(竹内雅紀)
現地では、愛知県警と協力し、岡崎(2匹)と豊橋(1匹)の2チームに分かれて行動。倒壊、半倒壊の家屋内に住人らがいるかの確認作業に従事した。野口さんは「現地はテレビで見た通り。余震が多くて怖かった」と振り返る。期間中は車中泊だったが、余震で何度も起こされ、寝不足だったという。
担当エリアでは倒壊家屋に取り残された人はいなかった。14日の地震で恐怖を感じ、玄関に布団を敷いて寝ていた住人の家の捜索では救助犬が唯一反応。ベレゾフスキーさんは「救助犬は人間が恐怖時に放つにおい(アドレナリン分泌物)をかぎ分ける訓練をしている。そのにおいが残っていたのだろう」と分析した。岡崎の2匹はともに雄のゴールデンレトリバー。11歳の「ジュニア」は今回限りで“引退”。6歳の「グーニー」は今回初の現地入りだった。
救助犬育成には約3年。普段はハンドラーと呼ばれる訓練士と一緒に暮らす。「まさにパートナー。愛情と尊敬が大事」とベレゾフスキーさん。現地への交通費や滞在費は自費。普段の仕事も休まねばならない。「負担はあるけれど人の命を救うと思えば」と野口さん。資金は、寄付と募金で主に成り立つ。
同協会は10月1日に、岡崎市額田地区(中金町)に訓練センターを仮オープンさせる。地元業者らの協力を得ながら3年間で整備し、全国から人が集まる施設を目指す。問い合わせは、野口さん(71―1811)へ。
寄付金は以下の口座で受け付けている。
岡崎信用金庫上地支店 普通3157265 特定非営利活動法人愛知災害救助犬協会 理事 ベレゾフスキートーマス