東海愛知新聞バックナンバー

 4月27日【水】

北東街区にスーパーなど誘致へ

名鉄東岡崎駅周辺地区整備

岡崎市が乙川リバーフロント地区整備計画と一体的に進めている「名鉄東岡崎駅周辺地区整備」で、市は上明大寺町の市営吹矢橋駐車場跡の市有地6559平方メートル(北東街区)を事業用地として、平成17年の「ユニー」撤退から駅前に不足しているスーパーなどの生活利便施設を誘致する。進出に伴う優遇措置を図る一方、必須設備の条件を設けて事業者を公募している。(今井亮)

市の「シビックコア地区整備」で、JR岡崎駅東に来年12月のオープンを目指す民間企業の商業複合施設に続き、自治体が所有する土地の貸し出しを緩和した事業用定期借地権を適用した。事業者から徴収する借地料の通常単価を下げて優遇するが、3年置きに見直しがある。借地期間の上限30年間で試算した場合、市には7億600万円の借地料収入が見込まれる。

北東街区周辺の「東岡崎駅前広場」と「明大寺交通広場」の整備に市がそれぞれ盛り込んでいた駐輪場などは、生活利便施設の必須設備として事業者に設けてもらう。

駐輪場は当初、市が9億5,000万円を投じて整備を予定していたが、事業者側の意見を踏まえ、「民間ノウハウによる民営が可能」と判断。北東街区での整備に方針転換した。一帯が自転車などの放置禁止区域になっていることから、事業者には有料化を求めるとしている。

事業者は8月に内定し、具体的な事業概要が明らかになる見通し。来年1月上旬には正式な借地契約が結ばれる。来年度から再来年度にかけて、建設工事が行われる予定。

駅周辺地区は誘致する生活利便施設をはじめ、東岡崎駅前広場や明大寺交通広場、これらを橋上で結ぶペデストリアンデッキなどを含め、同31年春の整備完了を目指す。乙川リバーフロント地区整備計画の総事業費99億7,000万円のうち、駅周辺地区整備分は35億円。

市は整備が完了した駅周辺地区に、同駅に集中しているタクシーの待機、乗用車の送迎、バスターミナルといった交通拠点を移転したい考え。その後、老朽化が目立つ駅ビルの建て替えや西改札口の新設など、名鉄と進める駅舎整備に関する協議を見据えている。