岡崎の桜まつりのメーンイベント「家康行列」(岡崎市、同市観光協会主催)があす10日、同市の中心市街地で行われる。市制施行100周年を記念して、今年は特別出演の俳優・里見浩太朗さんが主役の徳川家康を務め、行列の一部に特別隊列を編成。先導するオープンカーに乗車する1日警察署長の女優・菊川怜さんとともに、総勢800人が3.5キロの行程で勇壮な時代絵巻を繰り広げる。(今井亮)
里見さんは3年前の舞台「真田十勇士」で演じた徳川家康役の甲冑を着用。「沿道の観衆に対して顔が隠れないように」との想いから、兜はかぶらずに登場する。菊川さんは同市戸崎町のイオンモール岡崎で午後0時15分から1日警察署長に委嘱される。
特別隊列のうち「岡崎市電レトロ隊」では、昭和37(1962)年6月の最後の運行を飾った市電(市内線)の「花電車」をイメージした装飾車が走行。トラックを板で囲った装飾車は全長9.4メートル、幅2.8メートル。当時の写真に写るベージュと深緑の車両の配色をはじめ、停車駅の車掌アナウンスや走行音を再現する。車内には女学生姿や洋服に身を包んだ市内の小中学生が乗車する。
午後1時から家康が戦勝祈願したと伝わる伊賀八幡宮(伊賀町)で、里見さんが出席する出陣式が行われ、1時30分に行列の先頭が出発する。行列は能見通1と本町通1(中継所)を南下して康生北交差点を左折。籠田公園(中継所)前を通過して右折し、国道1号の横断を経て名鉄東岡崎駅北側を通り、3時に乙川河川敷に到着する見込み。
行列の到着を待って、河川敷では3時30分ごろから合戦演習。「本陣」に構える里見さんと観衆を前に、徳川将軍家の菩提寺である大樹寺で家康が自害を踏みとどまった逸話などが披露される。
主催の同市は、俳優・松方弘樹さんを徳川家康役に招いた市制施行90周年の平成18年と同規模の来場者45万人を見込んでいる。