横浜市内のマンションが傾いた問題で、傾斜の原因となった杭工事のデータ偽装を明らかにした旭化成建材の過去10年間の工事物件数が、波紋を広げている。岡崎、豊田、西尾の3市と幸田町は独自の調査に乗り出したり、動向を注視する構えを見せたりする一方、データ偽装を行った現場責任者が手掛けた同社施工の公共施設が公表されていないことで、手探りの対応を強いられている。(今井亮、大山智也、横田沙貴)
岡崎市では、過去10年間に建設された市内の公共施設を対象に急きょ調査に乗り出した。建設に当たって杭工事が行われた対象施設は50件になる見通しだが、同社の施工事実は不明という。26日にも調査の中間結果を公表する方針。
豊田市では、同社が施工に関わった小学校1校(22日現在)の存在が判明。これ以外で、「同社が手掛けた公共施設」の有無を含めた物件数の把握に努めている。
西尾市では、平成16年1月以降に建設された同市所有の公共施設を対象に、杭工事が行われた事実があるかどうかの調査を開始。該当施設のリストアップを進めている。建築課は「数十件になる見込み」としている。
幸田町は県の動向に注視しながら、公共施設に対する独自調査の実施を検討している。