19日に閉会した岡崎市議会6月定例会で、市が「福祉の村」(欠町)内に整備を計画してきた、子どもの発達障害の早期発見・療育を目的とした「こども発達センター」の設置条例など関連5議案が可決された。これに伴い、市は「相談センター」「医療センター」「支援センター」による複合施設となるこども発達センターの設計を進める。来年1月に着工し、平成29年4月1日の開所を目指す。(今井亮)
センターの整備・運営は、民間事業者のノウハウを活用するPFI方式を導入する。可決された関連議案には、公募型プロポーザル方式で選定された、酒部建設を母体とする6事業者の特別目的会社「岡崎ウェルフェアサポート」との事業契約が含まれている。
センターの総事業費は約57億1,600万円。このうち、約28億6,600万円が施設の設計・建設に投じられ、平成46年3月まで17年間の維持、管理、運営費に約28億5,000万円が充てられる。
市障がい福祉課によると、市内では年間約4000人の新生児のうち、1歳6カ月健診で800人程度が発達障害の疑いで保健所に相談があるという。療育を要することが判明した場合は、福祉の村内の「めばえの家」や「若葉学園」に通っている。
センターが完成すれば、臨床心理士らの相談、医師の診察、言語聴覚士の言語療法(リハビリ)、療育を一元化して行うことができる。同課は「発達障害を早期に発見し、療育を早めることで、一般の教育機関に通うことができる可能性が高まる」と話している。