岡崎市額田地区の森林再生と地域振興を目的とした「額田木の駅プロジェクト」が15日、始まった。市内の間伐材を出荷すれば、同地区内で使用できる地域通貨「森の健康券」に交換できる仕組み。県内では4例目となる取り組みに林業関係者らの期待は高い。(竹内雅紀)
出荷規格は市内の森林で1年以内に間伐したもので、樹種は問わない。ただし、極端に曲がっているものや腐っているもの、汚れているものなどは不可。広葉樹は長さ150センチ以上、針葉樹は200センチ以上。直径は細い方が10センチ以上と決められている。同地区内にある7カ所の土場に出荷し、出荷伝票を記載して窓口に提出すると、1トン当たり6,000円相当の「森の健康券」が発券される。健康券が利用できるのは同地区内の26事業所。飲食や給油、衣料、自動車修理、クリーニングなどの用途がある。
初日のこの日は、約30人が約20トンのスギやヒノキ、マツなどを持ち込んだ。集荷されたものは木材チップ化されるという。
桜形町の木材土場では内田康宏市長ら来賓と林業関係者ら計約150人が参加して開駅式が行われ、テープカットに代わる丸太切りもあった。額田木の駅プロジェクトの実行委員長を務める元額田町長の鈴木啓允さん(71)は「健康な森づくりと額田地区の商工の発展も見据えて取り組んでいる。実行委員会には森林所有者やボランティアなどさまざまな有志が集まってくれた。木材価格が低迷する中、間伐もせず森林放棄をするのも見られる。そんな状況を打破し、少しでも手助けができたら」と話した。
鈴木さんによると、額田地区の86%が森林でスギやヒノキの人工林は約7割。10年以上手入れを行っていない森林もかなりの割合であるという。
式典後は、木の駅アドバイザーの丹羽健司さんによる講演会が開かれた。