豊田市は13日、平成27年度の当初予算案を発表した。一般会計は、新年度に導入される法人市民税の一部国税化(地方法人税)や、28年度の税制改正による法人税率の引き下げに伴う影響を見越したが、普通建設事業費の増加により、過去最高の1,787億円(前年度当初比6.1%増)を計上した。特別会計と企業会計を合わせた予算総額は2,868億円(6.7%増)。太田稔彦市長は「将来への投資となる事業の実施と健全財政維持の両立を目指した」とした。(今井亮)
歳入の市税は個人市民税が0.3%減の305億円、法人市民税が5.2%減の248億円。法人市民税の一部国税化により、30億円余りの徴収を想定した。市税全体では0.9%(約9億9,000万円)減となる。
市債は55億円(83.3%増)を計上したほか、繰入金や国県支出金の増加で、前年度を上回る一般財源の支出を抑制した。一方で、市債の残高は前年度に続く減少傾向で、26年度の816億円から742億円になる見通し。
基金は昨年12月の補正予算で財政調整基金119億円を積み立てたほか、3月の補正予算で52億円を増額補正し、588億円になる見込み。一部を取り崩すものの、560億円とほぼ残高を維持した。
歳出の普通建設事業費は42.8%増の433億円で、一般会計が増額した最大の要因となった。新規事業を含む主な内訳は、寺部小学校、寺部こども園、交流館、市営住宅などの相次ぐ完成に76億円。名鉄豊田市駅前通り北地区の市街地再開発や土橋、寺部、花園、浄水、平戸橋地区などの区画整理に計141億円。産業振興と雇用創出につなげる製材工場の誘致、同市駅の東西の再開発を推進する都心環境計画、名鉄若林駅付近の鉄道高架化の推進に計2億2,000万円。
地方法人税に対して、太田市長は「工業団地の分譲など、地方自治体はリスクを背負って産業政策に取り組んでいる。政策が上手くいったら国が吸い上げるのは理不尽」と不快感をあらわにした。