岡崎市伊賀町にある伊賀八幡宮(斎藤徳蔵宮司)で20日、江戸時代から続く伝統の武者的神事が行われた。矢を放ち、的板の割れ具合で今年1年の農作物の吉凶を占う恒例行事は毎年、大寒の日にある。今年は家康公400年祭の関連行事にもなっており、徳川宗家18代当主・コ川恒孝さんらも出席した。(竹内雅紀)
本殿では判定表を完成させるためのくじ引きが行われた。縦軸は的の割れ方で4形態、横軸は占い対象で7項目。全28升に「上」「中」「下」の3択のくじ引き結果を割り振り、完成させた。今回から臨場感を味わってもらおうと本殿に入れない市民は境内に設置されたテレビモニターでくじ引きの様子を見守った。
本殿前の祭場には、3年連続の射手となった岡崎市出身の会社員小野浩紀さん(20)が登場。約28メートル先にあるヒノキ製の約36センチ四方の的板めがけて矢を2本放った。これまで2年間的を射抜いていた小野さんだったが、今年は2本とも的を外した。
判定表に照らし合わせると、天候が「上」、米が「中」、麦も「中」、ほかの五穀が「上」、商業「中」、工業「上」、繊維「上」。「下」がない結果になった。天候と工業は昨年と同様、その他は良化した。
ほかに和太鼓演奏や抜刀演武、餅投げなどがあり、例年より多くの人でにぎわった。