岡崎市は19日、下水道使用料の誤徴収が発覚したと発表した。現時点で分かっている影響金額は1億3,554万8,000円。今後の調査によっては1億5,000万円近くになる可能性があるとしている。
同市では昭和37(1962)年から八帖処理場で汚水処理を行い、対象以外の世帯の汚水は河川に排水していた。平成5年度に矢作川浄化センターでの下水処理が始まり、河川排水をしていた1万2,000件を10年度までに同センターの処理に移行させていた。
だが、電子化の手順や移行時の区域確認の不徹底などといった人為的ミスにより294件が河川排水区域として登録されたままだった。河川排水区域の使用料は通常使用料の10分の1になる。また現地調査で下水道に接続していない40件から使用料(合計133万円)を徴収していたことが分かった。112件は区域間違いか誤徴収かが判明していない。
今後は来年1月から2月中旬までをめどに112件を現地調査。徴収漏れには地方自治法に基づき最長で5年分の使用料をさかのぼって徴収する。遡及額は最大で事業所1,000万円、個人宅40万円にのぼり、総額は約4,000万円。遡及に関しては分納など対象者の経済状況にも配慮するという。誤徴収は民法の損害賠償請求権の期限の最長20年で還付を行う。また職員が家庭・事業所を訪問し謝罪と事業説明をする。
今回の誤徴収は、今年5月に発表された下水道使用料誤徴収の対応が7月末で完了したあとの9月上旬、担当職員からの報告で発覚した。平成20年度以降の担当課長は把握しており、引き継ぎも行われていた。過去の担当課長は聞き取り調査で「報告されたのは認識したが、内容は認識していなかった」と答えたという。
甲村巖上下水道局長は「市民の皆様に深くおわび申し上げます。予期せぬ出費を強いることになりますが、粘り強く説明をしてきたい」と陳謝した。(横田沙貴)