来月15日に世界で初めて発売される燃料電池自動車「MIRAI」(トヨタ自動車)の一般ユーザーを対象にした試乗会が29日、豊田市内で始まった。一般ユーザーが市販されるFCV(燃料電池自動車)を運転して公道を走るのは初めて。きょう30日まで開かれる2日間の試乗会で、鹿児島県や三重県を含む事前に申し込んだ県内外の約120人が、発売に先駆けて自動車の“ミライ”を体感する。(今井亮)
トヨタ自動車が自社で所有しているMIRAIを提供。試乗会では、同市の低炭素社会モデル地区「とよたエコフルタウン」内で燃料となる水素を充填する水素ステーションを発着点に、同社の開発担当者を助手席に乗せた参加者が、豊田スタジアムの周囲を走行して戻る約4キロを運転した。
試乗した公務員、広浜学さん(25)は「車が好きなので、FCVに乗ってみたかった。ギアチェンジの感覚もない滑らかな加速感に上り坂の走行も支障のないパワーで、乗り心地が良かった」と話していた。
MIRAI(車両本体価格670万円)の市販に伴い、国、県、同市ではさまざまな購入補助制度が設けられた。市では新車購入に当たり、市民向けに33万5,000円、事業者向けに15万円を上限に補助する。補助申請の受付期間は発売日の15日から来年3月末まで。