東海愛知新聞バックナンバー

 8月10日【日】

国宝「夢違観音」など

岡崎市美博「法隆寺展」始まる

岡崎市美術博物館で9日、企画展「法隆寺展 聖徳太子と平和への祈り」が始まった。聖徳太子が創建したとされる奈良県の法隆寺が所蔵する国宝「観音菩薩立像(夢違観音)」をはじめとした国宝・重要文化財20点を含む77件を展示している。9月21日までの期間中は同館で関連行事も開かれる。(横田沙貴)

法隆寺は平成33(2021)年の聖徳太子千400年御遠忌に向け、10年前にあたる23年から各地で講演会などを開いており、同展もその一環。3部構成で聖徳太子の時代の仏像や、聖徳太子の生涯、太子信仰について、仏像や絵巻などで紹介している。

夢違観音をはじめとした仏像が作られたのは、飛鳥時代と天平時代の間になる白鳳時代。飛鳥時代の仏像と比べると、立体感が増し、顔の作りが異国的になった。飛鳥時代では重要視されなかった背面も作り込まれており、全身を鑑賞できるよう展示されている。

■三河の太子信仰

三河地方で信仰が盛んな浄土真宗の開祖・親鸞は、聖徳太子が建立したとされる京都の六角堂(頂法寺)で救世観音の夢告を受けたとされている。また岡崎出身の戦国武将・徳川家康が、大坂冬の陣の前に法隆寺で必勝祈願をしたことから岡崎とも縁が深い。

「三河における太子信仰」と題したコーナーでは、同市菅生町の満性寺の「聖徳太子立像(2歳像)」(県指定文化財)や、浄土真宗の絵伝の元になったとされる、重要文化財「聖徳太子絵伝」(安城市・本證寺蔵)などもある。

入場料は一般(高校生以上)1,000円。小中学生500円。未就学児と市内在住の小中学生・各種障害者手帳の交付を受けている人とその介助者は無料。問い合わせは同館(28―5000)へ。

関連行事は次の通り。参加無料だが観覧チケットが必要。

  • 講演会=9月7日午後2時〜「白鳳のほほえみ―飛鳥時代後期の彫刻について」
  • こども向け展示説明会=8月17、27日、ともに午後2時〜。
  • 展示説明会=8月30日、9月13日、ともに午後2時〜。