東海愛知新聞バックナンバー

 3月12日【水】

東日本大震災 風化させない

岡崎市城南小 和ろうそく立て祈る

“3・11”東日本大震災から3年がたった11日、現在も仮設住宅住まいや他県に避難中の被災者がいる一方で、時間の経過とともに震災の風化が懸念されている。被災した仙台市中野小学校と交流のある岡崎市城南小学校ではこの日、震災を決して忘れないよう、全校児童が被災地へ祈りをささげた。(大山智也)

「ユネスコスクール」登録校である同校は、6年生が中心となって他地域の登録校と交流を行っている。中野小もその1校で、城南小の児童たちはベルマークを集めて寄付したり、岡崎の特産品である花火にメッセージを添えて送ったりして、支援してきた。

きっかけは昨年5月、同校で行われた磯部ろうそく店主・磯部亮次さんの講演会。児童たちは講演を通して、毎年3月11日が近づくとろうそくに火をともし、被災者らの幸せを祈る「祈りと和」と呼ばれる活動に、磯部さんが参加していることを知った。

以来、6年生が中心となり、毎月11日に校内で祈りをささげる城南小版「祈りと和」に取り組んできた。

今回は震災発生からちょうど3年という節目であることを受け、日本各地のユネスコスクール登録校にも参加を呼び掛けたところ、佐賀県玄海町値賀小学校が賛同。城南小と値賀小をテレビ電話でつなぎ、同じ時刻、異なる場所でともに祈ることを決めた。

体育館に集まった全校児童396人は、値賀小の児童たちへテレビ電話を通じてあいさつ。この後、お互いの学校行事や地元のゆるキャラなどを紹介し合い、交流を深めた。

大地震が発生した午後2時46分、2本の和ろうそくに点火。値賀小の児童たちと一緒に被災地の復興を願うとともに、亡くなった人へ追悼の祈りをささげた。

6年生の柴川陽人君は「愛知と佐賀、遠く離れた場所でも目を見て交流できて良かったです。一緒に東北へエールを送ることで、被災地がいち早く復興できるよう願っています」と話した。