東海愛知新聞バックナンバー

 10月31日【木】

家康館で珍銃奇銃展

岡崎 戦国―江戸の47点

堺鉄砲研究会主宰で稲富流砲術の砲術家、澤田平さん=大阪市=所蔵の変わり銃を展示する「珍銃奇銃展」が30日、岡崎公園内三河武士のやかた家康館で始まった。戦国時代〜江戸時代を中心に、47点を展示している。

澤田さんは甲冑(かっちゅう)や銃、和時計などの収集家としても知られ、テレビ番組「開運なんでも鑑定団」で鑑定人も務めている。今回はコレクションの中から岡崎にぴったりな品を選んだ。

「家康公撃ち損じ宿許(しゅくしゃ)筒」は、真田信繁(幸村)が大坂夏の陣で徳川家康の狙撃に使おうとした銃。幸村が乗っていた馬が暴れ、落とした銃を徳川軍が戦利品として回収し、明治時代まで紀州徳川家が保管していた。銃身の下に弾倉があり、早合(はやごう)(銃弾と火薬を一緒に素早く込めるための道具)が8発分装填(そうてん)できる。

「御座敷鉄砲」は武家の子どもたちが使ったもので、ゲーム感覚で砲術を学んだ。通常の火縄銃と仕組みは同じだが、銃身や銃弾、手入れの道具なども小ぶりになっている。

ほかにも仕込み銃「脇差し鉄砲」、3本の銃身で連射できる「トタンパツ三連短筒」といった珍しい銃も。毒砂が入った護身用目つぶしの「息討(そくとう)器」や左利き用火縄銃、鉄砲の鋳造技術を生かして作られた天体望遠鏡や自転車といった一風変わった品もある。

12月15日まで。11月3日午後1時からは、澤田さんによる展示品紹介もある。聴講無料だが入館料が必要。入館料は大人(中学生以下)350円、小人(5歳以上)200円。市内の小中学生は無料。問い合わせは同館(24―2204)へ。(横田沙貴)