岡崎市男川小学校で5日、チョウの専門家を招いた授業が行われ、3年1組33人がモンシロチョウの羽化を観察した。小さな生命の誕生に児童は歓声を上げて喜んだ。同校は市教育委員会が今年度指定したスーパーサイエンススクール推進校の1つ。(竹内雅紀)
講師は日本麟翅学会員で三河昆虫研究会理事の杉坂美典さん(60)。「みなさんが育てたサナギが羽化する様子を見て、モンシロチョウの秘密を見つけよう」と呼び掛けた。
用意されたサナギは14匹。児童が卵から育てた羽化間近のサナギを杉坂さんが預かり、4〜6度で冷蔵保管。この日に羽化できるように調整した。同校はこれまでもチョウの羽化観察を試みたが、授業と時間帯がずれて直接観察することができなかった。
児童はサナギの状態をスケッチした後、羽化の様子をじっくり観察。殻を破って成虫が姿を見せると「あ、出て来た」「きれい」と歓声を上げ、笑顔になった。
また、羽を伸ばした13匹のモンシロチョウをスケッチし、羽化時の特徴を発表し合った。口の伸縮や余分な体液の排出、羽の模様によるオスとメスの違い、羽を動かしての体液循環、1つの眼球の中に複数の眼球がある複眼―など鋭い観察をしていた。
最後に担任の稲垣裕子教諭が「皆さんが育てた小さな命が誕生しました。空に飛び立つまで見守りましょう」と呼び掛けた。昼には2匹が飛び立った。
柴田千鶴さん(8)は「サナギから成虫になる瞬間を見ることができてとてもうれしかったです。飛び立ってお別れするのは寂しいけれど、花の蜜を吸ってしっかり生きてほしいです」と話していた。