岡崎市の内田康宏市長は14日に開かれた岡崎活性化本部リバーフロント部会で、公約に掲げているツインブリッジ構想の私案イメージ図を公表した。乙川に架かる殿橋と明代橋を拡幅して「石の橋」と「緑の橋」にし、新たなシンボルとして後世に残す意向を明言。今後は市長が発案したイメージ図を「たたき台」として協議される。(竹内雅紀)
イメージ図の公表は昨年10月の市長就任後初めて。「分かりにくいという意見が多かったため」と、手書きの私案を出した理由を説明。「先に自分のアイデアを出すと皆さんの考えが固定されるため早期に出したくはなかった」と加えた。
殿橋は岡崎の歴史と伝統を伝えるために伝統産業の石製品を活用。橋の四隅に「殿を守る」意味で徳川四天王の石像を配置、中央部分の膨らみはフリースペースとし、欄干には松平・徳川の歴史をつづるレリーフを設置する。
一方の明代橋は、くつろぎを与えるため橋上を緑あふれる公園にする。植栽をし、船をイメージした複数の膨らみは岡崎産の木材を活用したウッドデッキ。飲食物の販売も視野に入れる。護岸は半円形状の階段にして憩いのスペースに。岡崎の玄関口として多様な機能を持たせ、伝馬通りや岡崎城などへの誘客につなげる考えがある。また、橋の下にできる空間の利用も推進するとしている。
内田市長は「派手な橋で観光名所にするという安易な考えではない。城と乙川と橋が一体化し、市民の郷土への愛着や誇りにつなげたい」と話した。膨らみ部分を含む橋の最大幅は現状の2倍を想定。ツインブリッジに関するポスターや作文の募集も検討している。
費用や完成時期については未定。法的、構造上に問題が山積し、架け替えか既存の橋を利用するのかを含めて多くの議論が必要となる。基礎調査は、市が委託するリバーフロント研究所が行う。