岡崎市は2日、矢作地区で連続して発生している不審火の被害防止のため「連続不審火対策本部」(本部長・内田康宏市長)を設置した。市危機管理指針に基づくもので、この種の対策本部設置は初めて。市や岡崎署はこの日、同地区内にあるピアゴ矢作店(舳越町)で防犯啓発キャンペーンを行い、注意喚起とともに情報提供を求めた。(竹内雅紀、横田沙貴)
市消防本部や同署などによると、矢作地区では2月8日から5月1日までに12件の不審火が発生。廃材や物置、農機具、枯れ草、乗用車のタイヤ、ごみ捨て場のごみなどが燃やされた。発生場所は西大友町、上佐々木町、東本郷町、下佐々木町、筒針町、西本郷町、大和町と矢作地区の広い範囲にわたる。
消防本部や地元住民らは3月初旬から巡視や注意喚起などを行っているが、対策本部設置後は地元、警察、市で連携を密にし、情報共有しながら一体となって警戒に当たる。具体的には、市職員が所属部署を問わず毎日4人体制で矢作南学区をパトロール、消防団や地元学区防災防犯協会らによる巡察の強化、パッカー車による枯れ草やわらの収集、早朝のごみ出しや放火対策を呼び掛けるチラシの配布など。
内田市長は「連続不審火事件は、市民の生命・財産を脅かす大変卑劣で許しがたい行為。一刻も早く解決するには、地元の皆さんや関係機関との情報共有、連携確保が重要と考える。市としても職員一丸となってパトロールを実施するなどの対策を講じていく」とコメント。市防災危機管理課は「火災発見時は『119』、不審者を見かけたら『110』通報を」と呼び掛けている。