岡崎市井田小学校の中庭で2日、地域住民や児童保護者、教諭らが稲作体験用の水田作りに汗を流した。ふるさと教育の一環で、春から新5年生が田植えなどに取り組む予定。校内に水田を設けるのは珍しい。(竹内雅紀)
水田の広さは約175平方メートル、中庭のサツマイモ畑を改造した。同校は小高い丘を切り開いた場所にあるため、土は水はけがよく稲作には不向きとされる。このため2月下旬に校内にある池の土(泥)を重機で中庭に運搬し、水田の土壌とした。
この日は、児童も含めて約30人が参加。学区に住み稲作経験がある岡田昭平さんと中根忠俊さんが“講師”となって、畦(あぜ)作りと土壌内の葦((あし)の根や石の撤去作業を行った。長靴姿の参加者は鍬(くわ)を使って粘り気のある土を掘り起こし、水田の周囲に高さ約30センチの畦を盛っていった。必死になり過ぎて体勢を崩し、泥まみれになる大人や子どももいた。
同校の岡田豊校長は「学区内は住宅地が多く、水田がなかなか見当たらない。稲作体験や泥遊びを通して地域の人との交流も図りたい」と話す。田植えは新学期に行われ、秋に収穫した餅米を使って文化祭で餅つき大会を実施。児童と地域の人でついた餅を味わうことにしている。