整備が進む名鉄東岡崎駅周辺地区の駅北東部が「周知の埋蔵文化財包蔵地」に認定されていたことが28日、分かった。岡崎城を築いた西郷稠頼が室町時代に居城としていた場所とみられ、岡崎市は4月から2年間発掘調査を行う。この日開会した市議会3月定例会本会議で内田康宏市長が言及した。
認定されたのは上明大寺町の東岡崎専用駐車場を含む9,800平方メートル。平成23年10月と翌24年4月に市教委が試掘調査をし、地下1.5メートル付近に遺構や、13、4世紀の茶碗が発見された。市は県に埋蔵文化財包蔵地を申請し、今年1月15日に認定された。
該当地区は三河守護代だった西郷氏の居城「平岩城」跡地と目されていたが、試掘調査で可能性が高くなり、本格的な発掘調査に入る。市は新年度当初予算案で計上した周辺整備調査設計委託費6,800万円の一部を充てる。発掘面積は約2,200平方メートル、26年度が7,600平方メートル。市文化材保護審議会の新行紀一委員長は「現岡崎城の前身の所在推定地。岡崎の歴史を考える上で重要な遺跡」と適切な記録調査を指摘している。
市は調査結果を踏まえて、整備事業の実施時期を検討する。(竹内雅紀)