岡崎署は25日、素早い対応で振り込め詐欺被害を防いだ三菱東京UFJ銀行岡崎駅前支店に感謝状を贈った。今回は、いったん振り込まれた50万円が被害者の元に戻ってきた珍しいケース。同署は「行員の機転で被害を防ぐことができた。今後も水際での防止に努めてほしい」と激励した。(竹内雅紀)
同署によると、10日午前11時ごろ、同支店に「JR岡崎駅西口のATM(現金自動預払機)コーナーで携帯電話をかけながら機械を操作している人がいる」と匿名で電話が入った。
支店の指示を受けた男性行員(60)が支店から南西約350メートルのATMコーナーまで走り、携帯電話を片手に機械操作している60歳くらいの女性を発見。振り込め詐欺防止マニュアルに沿って女性と問答を繰り返すうちに、振り込め詐欺だと確証を得たという。
女性は既に50万円を指定された口座に振り込んでおり、相手の要求で再び50万円を振り込むところだったが行員が説得して阻止した。また、振り込まれた50万円はまだ引き出されていなかったこともあり、振込先だった福岡銀行(福岡県)と同支店とが連絡を取り合い、「組み戻し」により女性に返金することができた。
同支店の内山薫支店長(49)は「お金が戻ってきたことはまれな例で奇跡といえる。福岡銀行にも感謝したい。振り込め詐欺防止マニュアルに沿って行動し、機転を利かしたことで防ぐことができた。引き続き目配りをして被害の回避に努めたい」と述べた。
山岡輝久署長は「ATMコーナーでの被害防止は大きなこと」とたたえ、「各金融機関には窓口だけではなくATMにも注意を払ってもらっている。今後も配慮を」と話した。