東海愛知新聞バックナンバー

 1月9日【水】

一足先に「大学生活」

岡崎・光ヶ丘女子高
今井さんら社会人講師招き

岡崎市大西町の光ヶ丘女子高校で8日、3年生243人を対象に、大学・専門学校の体験プログラム「光ヶ丘4Days大学プロジェクト」が始まった。生徒たちは11日までの4日間、社会人講師による講義を受けたり、グループワークをしたりして、一足先に「大学生活」を体験する。(大山智也)

8日は、平成16年にイラクで武装勢力に誘拐された、今井紀明さんが特別講師として来校。武装勢力に連れ回された9日間の出来事や、帰国後に待ち受けていた過酷な状況などを、生徒たちに話した。

今井さんは「帰国した直後は、街を歩いているだけで殴られたり、罵声を浴びせられたりしました。人に会うことが怖くなって、うつ状態にもなりました」と、当時を振り返る。環境を変えようと一時日本を離れたが、根本的な解決にはならないと考え帰国。現在は、不登校の子どもたちを助けるためにNPO法人D×Pを立ち上げて、通信制高校などでキャリア教育を行っている。

「失敗を恐れずに、いろいろなことにチャレンジしてみてください。皆さんがその気になれば、社会は変わります」と生徒たちを激励し、講演を終えた。

同プロジェクトは、生徒有志による実行委員会とNPO法人アスクネットが協力して企画し、2年前から始まった。「目的意識を持ち、主体的な学びの姿勢を身に付ける」を目標に、社会人講師を招いて講義やグループワークを実施している。

昨年は3日間にわたって行われたが、今回は4日間に延長。前回に比べてグループワークやプレゼンテーションの時間を増やし、チームワークや問題解決能力の向上を図る。