第46回衆議院議員総選挙はあす16日、投開票される。12政党が乱立する師走決戦の選挙期間も残すところあと1日。立候補者は「最後のお願い」と各地を駆け回る。(竹内雅紀)
5人が立候補した愛知12区(岡崎・西尾市、幸田町)は激戦。逆風の中で政権与党としての実績をアピールする民主前職の中根康浩氏(50)と、若さを武器に追い風に乗る自民新人青山周平氏(35)がし烈な争いを繰り広げている。日本維新の会新人重徳和彦氏(41)、日本未来の党元職都築譲氏(62)、共産党新人の若山晴史氏(64)が2人を追う構図。
中根氏は「安心社会と経済成長の両立」を声高に叫び支持を訴えている。選挙戦は労組中心の組織票固めと街頭演説で浸透を図っている。後半戦は党代表の野田佳彦首相、岡田克也副総理が選挙区入り。「党県連代表としてぶざまな戦いはできない」と気を張る。労組末端までの浸透具合が票の行方の鍵を握る。最終日は岡崎市内で決起集会を開く。
青山氏は岡崎市、西尾市、幸田町の各地で個人演説会や総決起大会を開き、保守地盤固めを着実に行っている。「パフォーマンスはうまくない。地道にやって古き良き日本を取り戻したい」と初めての選挙戦に意気込む。保守系市議、町議の後援会もバックアップし、組織力を生かした選挙戦を展開している。15日は甘利明政調会長が応援予定。
重徳氏は自転車遊説を欠かさず、主婦層や若い世代への浸透を図る。組織力を生かした選挙ではないため「票が読みにくい」(選対幹部)が、無党派層への切り込みには手応えを感じている。15日は党政策顧問の中田宏氏が岡崎入りする。
都築氏は豊富な経験を武器に政策を訴える。地盤とする西尾で票固めを行い、大票田の岡崎で駅立ちや街頭演説で支持拡大を狙っている。「時間がないのは確かだが、徐々に光は見えてきている」と陣営は感触を実感しているという。
若山氏は街頭演説中心の選挙戦。地道な対話を通して草の根運動を展開し「ぶれない共産党」をアピールしている。
愛知11区(豊田=旧稲武町を除く・みよし市)は民主前職の古本伸一郎氏(47)がリード。党への逆風をトヨタ系労組の強固な組織力で跳ね返している。自民新人の八木哲也氏(65)は保守系市議・県議らの支援を受けているが、出馬表明の出遅れが響いている。共産新人の渡辺裕氏(32)、諸派新人の中根裕美氏(38)は苦戦を強いられている。