岡崎市藤川町の国道1号沿いに12月開駅する道の駅「藤川宿」で、観光客らを迎えて“岡崎のすべて”を説明するのが「コンシェルジュ(案内人)」。このほど岡崎在住の3人が抜擢(ばってき)され、研修として企業などを訪問し、地場産業について学んでいる。(今井亮)
3人は、百貨店で外商やバイヤーなどを経験した松本洋一さん(63)、名鉄東岡崎駅の市観光案内所に勤務していた浅川恵子さん(47)と小林慶子さん(60)。
研修先は、道の駅内の情報発信コーナーに地場産業の特産品を出品する約60の事業所、商店や団体、観光スポットなど。研修は9月3日に始まり、約3カ月間行う。
このほど訪れた明治40(1907)年創業の「松井本和蝋燭(ろうそく)工房」(岡崎市十王町)では、三代目の松井規有さん(63)から和ろうそくの説明を受けたほか、岡山県産のハゼの木の実を原材料とした木蝋の「上掛け塗り」を体験した。
工房では、アクセサリーデザイナーの経験を持つ松井さんの次女・美尋さん(33)が徳川家康公、干支(えと)、鶴亀、招き猫、桜などをモチーフにした絵ろうそくを販売している。松井さんは「伝統工芸をはじめ、岡崎に根付くものづくりを頑張ってアピールしてほしい」と、コンシェルジュに期待を寄せた。
研修を終え、「皆さん、熱い思いと自信を持っていて人柄が伝わってきます」と浅川さん。「商品知識を説明できるコンシェルジュとしてのスキルと自信を蓄えるのが最大の課題です」と、3人は口をそろえた。