おかざき世界子ども美術博物館で28日、「工芸ウイークで遊ぼう」が始まった。同館と日本工芸会が共催。30日までの3日間、同会に所属する作家らが講師になり、陶芸、染、漆の3つのジャンルで本格的な“工芸”に挑戦してもらう。(大津一夫)
この日は「陶芸」で、親子14組約40人が受講した。講師は日本工芸会正会員の前田正剛さん、愛知県立芸術大学非常勤講師の福島由子さん、同大学院を修了した前田江里奈さん、同大学院在学の森本静花さん、同じく同大学院在学の屋我優人さんの5人。
茶わんを伏せたような高さ約6センチ、直径8センチの素焼きの陶製品が用意され、表面に四角や三角、丸く切り抜かれた紙を貼った。デザインが完成すると、青い呉須を溶かした水を吹き付けた。貼り付けた紙をはがすとそこだけ白くなり、再び青い溶液で絵柄を描いた。
子どもたちは真剣な表情で絵を描き、「世界で1つだけ」の風鈴が完成。このあと同館のガス窯で焼き、後日受講者が持ち帰る。
母親と一緒に受講した小学校2年生の女児は「庭につるし、家族で涼しげな音色を楽しみたい」と笑顔で話していた。
このイベントを監修した県立芸術大学教授で日本工芸会正会員の太田公典さんは「小中学生を対象にした教室ですが、工程はプロが作るものと同じで、本格的な作品が出来上がります」と話し、「こうした工芸ウイークは初めての企画。夏休みのイベントとして定着してほしい」と期待していた。
きょう29日は「そめもの」で、既に募集を締め切った。
あす30日は「漆」を題材に開催される。時間は午前10時〜正午と、午後1時30分〜3時30分の2回。定員は各15人。申し込みは、きょう29日午前9時から同館(53―3511)へ。