東海愛知新聞バックナンバー

 7月8日【日】

■「緊急医療情報キット」手作り

岡崎市三島学区福祉委員会
万一に備え高齢者に配布

高齢者が急病などで搬送された際、名前や常用している薬剤などが分かる「緊急医療情報キット」を配ろうと、岡崎市三島学区福祉委員会(山田鑛二委員長)は7日、同学区市民ホームでキットを手作りした。近く75歳以上の独り暮らしのお年寄りと、80歳以上の夫婦のみの家庭に配る。学区単位でのこうした試みは、市内で初めてという。(大津一夫)

■学区単位では初の試み

昨年7月、救急車で搬送された高齢者に付き添った福祉委員が、本人の医療情報が分かるものがあればと思ったのがきっかけ。

同委員会役員がインターネットで検索したところ、救急医療情報キットが市販されていることを知った。サンプルを取り寄せて価格などを調べた結果、材料を買って手作りすることに決めた。

この日は福祉委員35人が参加。同委員会広報・研修部の田中健二さんが経過と作り方を説明した。

キットは高さ約18センチの保管容器と、磁石付き、粘着材付きステッカー2枚がセットになっている。

容器の中には名前と生年月日、住所、電話番号、緊急連絡先や、アレルギーの有無、かかりつけの医療機関、持病、これまでの病歴、服用している薬の名前が書いた用紙を入れる。こうした情報は本人に書いてもらう。

ほかに本人の意向があれば、延命治療を拒否する「尊厳死宣言公正証書」なども入れてもらう。ふたには救急車のイラストが描かれている。

容器は冷蔵庫に入れ、扉の外と内側に、キットの存在を示すステッカーを貼る。

同学区の対象者212人には、福祉委員が1人ずつ訪問して配布。年1回は病歴などを再確認する。

同委員会役員は今年1月、市消防本部中消防署を訪れ、制度の概要を説明し理解を求めたという。