岡崎市東公園の南西に復元された昭和初期のスパニッシュ様式邸宅「旧本多忠次邸」の邸宅内が3日、開館(6日)を前に関係者に公開された。復元は、最後の岡崎藩主・本多忠直の孫に当たる忠次氏亡き後、本多家から平成13年4月に邸宅の建築部材類や家具・調度品を市が譲り受けて以来、11年越しとなる。(今井亮)
窓のステンドグラスや浴室の床に用いられたモザイクタイルなど譲り受けた部材類で木造2階建ての当時の邸宅(延べ床面積522平方メートル)の7〜8割を復元し、一部鉄骨で耐震補強。新設された来館者用のトイレやエレベーターを除いて間取りも同じで、各部屋に置かれた家具・調度品の配置も忠実に再現された。
1階の団欒(だんらん)室▽食堂▽配膳室▽衣装室(常設展示スペース)▽夫人室▽化粧室▽湯殿と、2階の寝室▽化粧室▽浴室▽書斎▽茶室▽控の間▽次の間▽客間―は、来館者が順路で見て回ることができる。ギャラリーとなる控の間、次の間、客間は有料で貸し出すほか、市主催の企画展(有料)が予定されている。
開館後、各部屋には公募で集まったボランティアサポーターが配置され、来館者を案内する。開館時間は午前9時〜午後5時。月曜日休館。
邸宅は、平成20年に同公園の森2,280平方メートルを敷地として切り開き造成がスタート。2年後に邸宅の復元建築と外溝工事に着工し、今年3月に完成した。総事業費は約4億5,000万円。