東海愛知新聞バックナンバー

 6月2日【土】
岡崎

■柴田紘一市長 4選不出馬を表明

後継者決めず 市政に新しい風

岡崎市の柴田紘一市長(71)は1日、10月21日投開票の市長選への不出馬を表明した。この日開会した市議会6月定例会本会議で言及した。(竹内雅紀)

柴田市長は午前中の提案説明で「この場を借りて次期市長選には『出馬しない』とさせていただく」と述べた。不出馬の理由については「就任当初から首長は3期12年が一つの区切りと考え全力で進めてきたが、その時期が近づいてきた」とし、次期市長には「市民に選ばれた新しい方が新たな発想や手法で岡崎市のステージを作り、さらなる発展に弾みをつけてもらいたい」と期待を寄せた。

午後からの一般質問で、中根勝美議員(自民清風会)が市長選についてただすと、「長く同じ目線では進展はない。新しい風を市政に取り入れることが大切だ。新しい方が選挙戦で政策を訴え、市民に選択する機会を与えることが望ましい。そこで選ばれた人が堂々と自分の思いで市政を進めてもらいたい」と答弁した。また、これまでの総括として「事の大小を問わずに早い決断をし、問題を先送りせずに、引く時はためらわずに撤退もした」と振り返った。

散会後の記者会見で「後継者は決めない」と明言し、「退任後は一市民として生きたい」と政治活動からの引退を示唆した。在任12年間を「緊張の連続だった。平成12年の東海豪雨、20年の八月末豪雨は厳しい試練だった」と回顧した。

柴田市長は現在3期目。市議、県議を経て平成12年の市長選に初当選した。今年10月の市長選には内田康宏県議(59)が既に出馬を表明している。