8台の華麗な山車が引き回される神明宮(岡崎市元能見町、加藤和子宮司)の大祭(12、13日)に向け、氏子の各町内ではお囃子(はやし)と踊りの稽古が続いている。夜になるとあちこちから「ハーオ」「イーヤ」の掛け声とともに、太鼓や三味線の音が響き、祭りムードが高まっている。(大津一夫)
祭りを取り仕切る今年の大年番・能見中之切(伊藤仁志氏子総代)では、能見町の貞寿寺で4月19日から稽古が始まった。
お囃子には小学生2人、中学生2人、高校生4人、大人7人が参加。鉦(しょう)や三味線、太鼓、小太鼓、鼓などを手に「六方」「徳川」「天神」など5曲を習っている。
音楽が好きで1年生のときから参加している愛知教育大学附属岡崎小学校4年生・市川晴貴君(9)は、小太鼓を担当。「リズムが難しい。山車の中では足がしびれるけれど、祭りの当日が楽しみ」。踊りも経験したことがあり「おひねりが飛んできて、うれしかった」と笑顔で話す。
稽古は9日まで続く。お囃子を指導している生田流筝曲地唄三絃の教授・安藤啓子さんは「気持ちもそろい、仕上がりもいいです。今年は三味線に初めて高校生も参加してくれたのがうれしい」と稽古を見守っている。
氏子総代の伊藤さんは「11年に1回の大役です。仲良く祭りを盛り上げたい」と気持ちを引き締めている。
江戸時代中期から続く神明宮の大祭は、岡崎三大祭りの1つとして知られる。
氏子は、
―の11町。
12日は前日祭で、午前9時30分ごろ8台の山車が山車小屋から引き出され、境内に整列。午後1時30分から神楽殿で女児による乙女の舞、5時には貞寿寺前に8台の山車が集合する。
13日は大祭。午前8時から御神輿(みこし)渡御(とぎょ)、午後0時から例大祭の神事がある。1時過ぎから各町内を山車が引き回され、山車の前で子どもたちが踊りを披露。3時過ぎには境内余興の1つとして、グレート家康公「葵」武将隊の演武もある。7時20分には各町から山車が出発。神明橋に集合したあと神明宮に向かい、祭りはクライマックスを迎える。