岡崎市常磐小学校と常磐中学校の児童生徒が30日、天台宗・滝山寺の本堂から800メートル南西に位置する国の重要文化財「三門(仁王門)」の保存修理工事を見学した。現在も息づく見事な職人技で着々とよみがえっていく屋根のこけら葺(ぶ)きに、児童生徒らは目を見張った。(今井亮)
同寺の山田亮盛住職(60)によると、一昨年の台風で三門の屋根を覆うこけら板の多くが失われた。昭和48(1973)年以来、38年ぶりとなる今回の葺き替え工事では、サワラのこけら板を打ち付け、来年3月末に新たな屋根が完成する。
常磐中は全校生徒130人が学年別に見学。ヘルメットをかぶった生徒は三門を覆うように組まれた足場の階段を上がり、作業員の説明を聞きながら葺き替えに見入っていた。
同校2年生の野村望さん(13)は「板をきれいに打ちつける技術がすごいと思いました」。山田住職は「地元の子どもは滝山寺鬼まつりを継いでいく後継者。滅多にない工事を目の当たりにして、思い出として将来に語り継いでほしい。郷土を好きになるきっかけになれば」と話していた。
きょう1日は、地元住民や事前に応募した市内在住者らを対象に工事の公開見学会が開かれる。