三菱自動車岡崎工場に勤務する中川大輔さん（２１）＝岡崎市小針町＝が、イタリアで開かれる「第3回INAS-FID（国際知的障害者スポーツ連盟）グローバルゲームスイタリア大会」に、日本代表選手団の一員として出場する。中川さんは4年前に水泳競技で出場したが、今大会は陸上競技に転向しての挑戦となる。（今井亮）

■ロンドン･パラリンピック出場懸け

知的障害者によるスポーツの世界大会では最高峰に位置づけられている。今大会から国際パラリンピック委員会の公認となり、9月23日から10月5日まで、同国インペリア市で開かれる。

中川さんは28日、ロンドン・パラリンピック出場の鍵を握る派遣標準記録（4分8秒）も懸かった陸上1500メートル予選で登場。その後、800メートル、5000メートル、1600メートルリレーの計4種目に出場する。

1500メートルの自己ベストは4分8秒94。パラリンピック出場の基準となる公認大会以外では4分7秒93のタイムを出している。

また今年5月には、2年前の「東京2009アジアユースパラゲームス陸上競技（男子IDAクラス）」で優勝したタイム15分26秒07を約8秒縮めたことから、5000メートルにも期待が懸かる。

中川さんは幼少期から水泳を続けていたが、県立豊川養護学校でスカウトされ、陸上部に所属。就職後、仕事と水泳の両立が困難になったことから、環境が整った同社陸上部の練習に参加し、陸上に専念している。

中川さんと母・直美さん（５５）は9日、岡崎市役所を訪れ、柴田紘一市長に出場を報告。「ベストタイムを出してメダルを獲得したい」と意気込む中川さんに、直美さんは「サポートしてくれた職場や陸上部に恩を返すためにも全力を尽くしてほしい」と期待を寄せた。