岡崎市矢作幼稚園で4日、同市初の試みとなる園庭の芝生化を記念した「芝生植え付け式」が行われた。同市は今年度、同幼稚園と福岡南保育園をモデル園に指定。市立幼稚園と保育園全園の芝生化に向けて、モデル園の経過を検証していく。(今井亮)
矢作幼稚園では、園児や保護者ら約300人を前に、柴田紘一市長が「園庭が芝でいっぱいになったら楽しく遊んでください」とあいさつ。この後、柴田市長をはじめ、園児と保護者で、園庭約1000平方メートルのうち700平方メートルに芝の苗2700個を植えた。
東日本大震災による原発事故の影響で、福島県矢吹町から岡崎市に避難してきた女性(33)は「今月から4歳の長女が年中組に入ったばかり。原発の放射線を気にせずに屋外で遊ばせてあげられる環境だけでも幸せですが、園庭が芝生になれば心置きなく裸足で遊べますね」と話していた。
園庭の芝生化は園児を擦り傷などから守り、土の流出と砂埃(ぼこり)の飛散を防止。このほか、排水性の向上や緑化による温度上昇の抑制効果が期待されている。
同園には先月21日、園庭内6カ所の土中にスプリンクラーが埋め込まれた。使用する芝は、繁殖力が強い鳥取県産の「バミューダ・グラス(ティフトン芝)」。50センチ間隔で苗を植えると、自然に芝が繁殖しながら園庭を覆っていく。
散水や肥料散布、芝刈りなどを続け、3カ月ほどで園庭が“緑のカーペット”に変わる。10月ごろには寒さに強い品種「ペレニアル・ライ・グラス」の種をまく。
福岡南保育園では10日に植える。モデル園の芝生化の事業費は両園で約150万円。