旧東海道37番目の宿場町があった岡崎市藤川地区で、今年もむらさき麦が色付き始め、これから見ごろを迎える。穂先が垂れ下がるほどたわわに実った麦は、濃い紫色に染まっている。地元住民で組織する藤川まちづくり協議会(小林奈翁彦会長)は、きょう15日午前9時30分から「むらさき麦まつり」を開く。(横田沙貴)
例年に比べて生育が4〜5日遅れているが、14日現在、全体の半分ほどが色付いている。
現在名鉄藤川駅前広場、藤川小学校南側、藤川宿資料館裏、同地区東側(東棒鼻周辺)の4カ所でむらさき麦を栽培している。
俳人・松尾芭蕉が「爰(ここ)も三河 むらさき麦の かきつばた」と詠んだように、藤川地区ではかつて、むらさき麦の栽培が盛んだった。一時栽培が途絶えたが、平成6年に県総合農業試験場から麦を譲り受け、観賞用として栽培を再開。同18年に栽培地を大幅に拡大して、現在では約400平方メートルの広さになった。
むらさき麦ライトアップは午後6〜9時。20日まで。
今年の「むらさき麦まつり」は愛知産業大学の学生が、江戸時代に建てられた旧米屋整備やポスター制作などで協力して、イベントを盛り立てている。
オープニングセレモニーは、藤川小学校児童の和太鼓演奏と少林寺拳法岡崎連合会による演舞が9時30分から行われる。
スタンプラリーでは「藤川宿まち歩きMAP」を参考に地域を散策。参加者に配布されるマップは愛産大生が実際にコースを歩いて作った。
旧米屋の内部が公開される。また10時30分からは、同会場で地元有志による三味線演奏がある。
藤川宿第2資料館裏の広場では「もてなし広場」を開催。むらさき麦の握り飯、麦茶、額田のしし鍋などを振る舞い、地元企業が作った、むらさき麦焼酎「大公館」、むらさき麦饅頭(まんじゅう)、むらさき麦クッキーなどの名産品や「藤川宿散策のしおり」などの販売も行う。