社会福祉法人の「県心身障害児療育センター・第二青い鳥学園」(岡崎市本宿町)と「米山寮」(同市洞町)に19日、平成21年2月に他界した同市戸崎町の岩瀬壯八郎さん(享年71)から、遺言執行者の行政書士を通じて約1億5,000万円の遺産が寄付された。
同学園で行われた贈呈式では、県厚生事業団の小島通理事長(61)、眞木宏哉理事長(68)に、行政書士の石原且也さん(68)が遺言書を読み上げた。遺産は両施設で等分し、医療器具の購入や施設の修繕費用などに充てる。
遺産は、体が弱く慢性気管支炎拡張症で就労できなかった岩瀬さんが、母親が営んでいた文具店を手伝いながら、株式取引の利益を蓄えたもの。母親が亡くなり、未婚で子どもがいなかった岩瀬さんは生前、同じ町内の石原さんに「お世話になった人たちへの恩返しの気持ちを込めて、財産を社会に役立てたい」と相談。石原さんが両施設を紹介した。
石原さんは「もし岩瀬さんが生きていたら、迷いなく東日本大震災で被災した子どもたちに全額寄付したはず。両施設には岩瀬さんの遺志をくんでいただきたい」と話した。